NEWS

【NEWS】㈱リディアワークス R&D(研究開発) 高見和之が一部執筆した書籍が刊行されました。

【NEWS】㈱リディアワークス  R&D(研究開発)  高見和之が一部執筆した書籍が刊行されました。

<Q&Aで理解する> 製品の抗菌・抗ウイルス化技術
~国内外の法規対応/加工・製品化技術/評価における実務対応~

https://johokiko.co.jp/publishing/BC220102.php

株式会社情報機構

発刊:2022年1月予定 定価:63,800円(税込(消費税10%)) 体裁 B5判 347ページ

 

以下、本文一部引用となります。(全文ご覧なられる際には、上記書籍ご購入ください。)

Q4:「抗ウイルスフィルム/ラベルの機能設計の考え方は?」

はじめに

 現在も高い関心を集めている抗菌・抗ウイルス製品が日本国内で最初にブームを迎えたのは 1980 年代であったと記憶している。もっとも当時の抗菌化の主たる目的は、製品そのものの微生 物による劣化の予防を主目的としたものであった。実際、欧州バイオサイド規制でも、抗菌剤は “防腐剤”としての認識が強いようである。しかしながら現在の抗ウイルス製品では、その表面を 触れることで生じ得る接触感染を予防することが期待されている。つまり、“防汚性”あるいは“自 浄性”のための機能設計が求められることになるが、当然それまでとは異なる機能設計を行わな ければならないことになる。特に抗ウイルスフィルム/ ラベルは、接触感染予防が期待される製 品の代表例であり、特に慎重に機能設計をしなければならない。本稿では、同製品で考えるべき 機能設計について簡単にまとめたい。

1.求められる抗ウイルス性能と適切な評価

 第一に、“防腐性”と“自浄性”では求められる抗ウイルス性能そのものが異なる。従って然るべき方法で評価し、然るべき合否判定で性能を評価しなければならない。しかしながら市場に目 を配ってみると、その評価法も合否判定もさまざまである。 例えば市場で販売されている抗ウイルスフィルム製品で評価に用いられていた評価方法の概要 を表1にまとめる。表1から明らかな様に、ウイルス種、ウイルスとの接触法、接触時間、性能 基準がまったく一致していないことがわかる。そしていずれの条件も充分であるとは言えないのではないであろうか。

 例えばISO21072 では、ウイルス種、接触法、性能基準は実用に合致していることは評価できるが、接触時間が長すぎるため、“自浄性”としての効果が実感できない性能が不充分な製品も合 格になってしまう可能性がある。接触時間は少なくとも清掃頻度を考慮した短時間であるべきで あろう。

 一方ISO18184 は、ウイルス種、接触時間、性能基準は実用性の評価に相応しいかもしれないが、 そもそもこの評価方法は本来、繊維製品の評価法であって、ウイルス種との接触方法が実用とは 全く異なり、少なくとも抗ウイルスフィルムの性能評価法としては全く相応しくないと考えられる。

 その点ISO18061 やISO18071 は、ウイルスとの接触法と性能基準は実用に相応しく、接触時 間も許容範囲である( なお同評価法では、2時間で評価しても良いとの記載もある)。ウイルス種 が病原体ウイルスそのものでないことはやや懸念が残るかもしれないが、充分許容できるであろう。相対的に見れば、この評価規格が最も実用に近い性能評価法であると期待される。ただこの 評価規格は光触媒製品を対象としているため、その他の製品への適応には躊躇われるであろう。 結局のところ、実用に耐え得る抗ウイルス性能が確保できているかどうかの判断は、既存の評価・・・(書籍本文につづく)

blog_pic_220112

コメントを残す

コメントは表示される前に承認される必要があります。